動き出すか、ネット投票

投稿者:nakajima 投稿日時:火, 2017-10-31 04:11

 野田聖子総務大臣が記者会見で「実施方法を研究すべきだ」と言及するなど「ネット投票」が実現する機運となって来た。JASPAではかつて、投票所に専用投票端末を置く「電子投票」の普及を提案してきたことがあったが、今回は、その先を行く「ネット投票」である。ぜひ、「ネット先進国」の日本を推進するためにも、この機運を本物にしてもらいたい。
ITを使って選挙をもっと効率的に行える。筆者が日本経済新聞記者をしていた30年近く前の90年代から、将来は「電子選挙」と予想していた。インターネットのない、そのころの方法は架設の専用線を巡らして投票所増やし、投票所は専用電子端末を設置する。締め切りとともに投票結果は集計され、発表される。人手のかかる開票作業は必要がない。しかし、電子端末に不正なプログラムを入れられて集計結果を操作されたらどうするのか、など、反対論というか、抵抗が強く、電子投票を認める制度はできたが、数カ所で実施されたにすぎず、広がらなかった。
コンピューターに対する「無理解」というか、「難癖」「言いがかり」に近いしつような抵抗だった。電子投票にすると、開票時の「人為的な操作」ができなくなるので不都合だと感じる人たちがいるのではないかと勘繰りたくなるような粘っこい抵抗だった。
そして、いま、インターネットが登場し、スマホや携帯端末の普及である。「ネット投票」がにわかに浮上してきた。パソコン端末が普及してきた時点でも「ネット投票」の可能性はあったが、利用率、普及、取り扱いの簡単さではスマホや携帯端末が圧倒的である。「ネット投票」は投票所もいらない。自宅やオフィスからだけでなく、旅行先でも、外出先からでも投票が可能である。
今回、にわかにネット投票に関心が高まっているのは、投票日が台風に見舞われたことだ。投票所に行くのが困難。投票所に行かないで投票が可能な方法は? ネットがあるではないか。また、投票日の天候不良を懸念して「期日前投票」を済ませた経験も大きい。何も、投票日だけに時間を限ることはなかった。時間から解放されると次は場所である。そうだ、場所も指定された投票所ではなく、もっと柔軟で良いではないか。パソコン端末、スマホ、携帯端末が投票所になる。投票所開設・運営に伴う人手、開票にかかる人手、こういう作業や経費が大きく軽減される。
もちろん、どうやって本人を確認するか。いかに不正を防ぐか。課題はあるが、ネット通販やネット銀行などでの本人確認やセキュリティーの経験は積んでいる。克服できないはずはない。
もしかすると、慣れ親しんだ旧来の開票方法に執着する選挙関係者がいるかもしれないが、柔軟で利便性の高い「ネット時代」の到来に合わせて投票も変わらなければならない。これはうがった見方だが、もしも「人為的操作」の余地がなくなるのを恐れているなら、あきらめてもらう以外ない。透明性を高める、これは時代の趨勢である。